経営者・マネージャーなど人の上に立つ側にとって、
スタッフとどう良い関係を作っていけるかは大事な課題です。
そもそも依頼することをやり遂げる能力がないなら、
言って聞かせる、やってみせるで教えてあげることは大切なこと。
できあがりのイメージを見せて、同じように仕上げてもらうことも一つの手です。
ただし、そんな初歩のスタッフには優しく接しますし、
「もっとたくさんのことを覚えたい、早く一人前になりたい」と向上心もあって、
分からないことは素直に聞いてきたり、
自分なりにクオリティを上げる努力を重ねるものです。
しかし一方で、もう少し経験値のあるスタッフのはずなのに、
できるなずなのにやらない、
依頼したことが伝わっていない、
クオリティが低すぎる、
という現象が起こることがあります。
そんな時、相手はこう言うでしょう。
「言われたことはきちんとやっています。」
出た!ゴールデンフレーズって思います。
「言われたことはきちんとやっています。」
って、言うやつに限って、大したことをやっていない。
ていうか、足を引っ張る気満々の構ってちゃん、ですよ、これは。
仕事に創意工夫もなく、
モチベーションもなく、
クオリティに対して無責任で、
その結果引き起こされる大事故にも無関心。
はっきり言って、いない方がまし、
自分は仕事をしたつもりでいるんだろうけど、
仕事を増やしているだけだから、目の前から消えてくれって思います。
こんなことが起きる原因は、
ぶっちゃけ、心に溜めている不平不満です。
これは、会社・経営者・マネージャーの方針を
理解していない、または理解したくない、
人として尊敬できないと思っている、
共感できない・したくない、
など、エンパワーメントがそがれている状態。
組織が新しい方針や手法を導入しようとしているときに、
前の方が良かったなどと現状維持のバイアスがかかっていたり、
変化に対する不安や抵抗が、サボタージュ的な行動になって表れます。
変化やチャレンジを喜んで受け入れられる人と、
それが不安で仕方なく落ち着かない人がいるのは仕方のないこと。
本質的に経営者やマネージャーは、
変化を受け入れていかなければならない人種なので、
このギャップは埋まるものではない。
こんな状態の解決は、ズバリ、話を聞いてあげること。
ただし、生半可に聞くだけでは逆に不信感も高まりますし解消できません。
本当に腹を割って、本音で話せる環境・関係を作らないと改善は難しいかもしれません。
この関係が壊れてしまっても仕方ない、というくらいの本気度です。
そもそも現状はマイナスなんだから、目の前から消えてくれるだけでも改善です。
こんな人は本当はすごい能力を秘めているし、
だからこそ、その能力を発揮したいと思っている。
しかし、心の中に不安があって、抵抗という行動に出ているわけで、
つまりは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態。
本人もつらいし、助けてほしいと思っているはずなんです。
ブレーキを少しづつ、緩めてもらうようにすればいい。
一気にブレーキを外しちゃうと、急加速で事故ります。
「言われたことすら、きちんとできていませんでした」
ということさえ認めてくれれば、第一ステップ完了でしょう。