AIに本を書かせた2023年と、AIと意味を監査しながら書いた2026年
2023年、私はChatGPTに本を書いてもらった。2026年、もう一度AIと本を書いた。AIの利用量は増えたのに、原稿への関与はむしろ深くなった。変わったのは関与の量ではなく、何にコミットしていたかだった。
2023年、私はChatGPTに本を書いてもらった。2026年、もう一度AIと本を書いた。AIの利用量は増えたのに、原稿への関与はむしろ深くなった。変わったのは関与の量ではなく、何にコミットしていたかだった。
生成AIで網羅的な文章を作るコストがほとんどなくなった。情報をたくさん書けること自体は、もう希少ではない。未理解からの省略と、理解からの省略は外形が似ているが、中身はほとんど反対である。
自分の記録をAIに読み込ませて「自分AI」を作ると、記録の中にある他人の発言まで本人の思想として語り始める。これは検索精度とは少し違う問題で、Speaker Attribution・Stance・Commitment・Condition・Temporal Versioningを分けて持つ必要がある。
2026年8月の法務省ガイドラインを読んでいて気になったのは、個々のAIサービスが合法か違法かという判定よりも、その判定に至るまでに何が見られているのかだった。同じLLMでも、設計・UI・利用のされ方で意味は変わる。
18章すべての原稿がそろった。ところが一本につないで読める形にしたところ、別の仕事が始まった。章ごとには正しいのに、章と章のあいだが古い。本にも依存関係があり、編集は概念モデルのデバッグでもあった。
「好きな食べ物は?」と聞かれると、反射的に「やきそば」と答えてきた。嘘ではないが、純粋な嗜好調査の結果でもない。趣味、ホーム、好きな食べ物。自己紹介で差し出す短い答えは、本体ではなく取っ手なのかもしれない。
LISS Panelへのアクセスを断られ、代わりのデータを探し始めた。ところが調べてみると、AIペルソナやLLMによる社会調査データ生成について、すでにかなり近い研究と、検証に使える実データがいくつも存在していた。
AIに議事録を作らせると、「気が楽」は「心理的負担が軽減された」になる。文章としてはよくできている。でも、その少しの間にいくつかの意味が追加されている。その一文は、誰が言ったことなのか。
仕組みを分解し、比較し、つなげる。7 つのテーマを継続的に追いかけています。
いま書いているシリーズ
20年前に師匠がGISを指して呼んだ「知識創造エンジン」を、生成AIで作り直している記録。AIが言葉に足してしまう意味を追う「意味の監査」、社会モデル「Persona Monitor」、自分をAIに渡す「Founder Corpus」。そこから派生した考え方をまとめて置いている。
伝統製法と量産品の分岐点、農業とフードテック、日本酒の輸出。食卓の裏にある製法・表示制度・市場・政策をつなげて読み解く。
カーボンクレジット、グリーン水素、GX 戦略、アクティビズム。持続可能性が投資と産業構造をどう変えているかを追う。
AI、フィンテック、リテールテック、MR。技術トレンドを経営と投資の視点から位置づける。
マクロ経済、金融市場、投資戦略、企業財務。市場で起きていることを仕組みと歴史の流れから捉える。
国際ビジネス、地域産業、政策と社会課題。日本の産業構造と政策の選択を、現場と制度の両面から考える。
全 18 本を見る »時間管理、生産性、キャリア、リーダーシップ、ビジネス書。リサーチャーとして働き、考えるための方法論。
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リサーチャー/証券アナリスト。株式会社隠密 代表取締役頭領。
著書『社内データ活用の教科書』『社内AI企画の教科書』ほか。