ウォール街のクオンツ、生き残れるか-無リスク金利に敗れた戦略も
記事を要約すると以下のとおり。
インフレ高進と急速な利上げで再び生じた大きな変動や混乱はボラティリティーを好む投資の専門家に歓迎されたが、あらゆる種類のクオンツに恩恵をもたらしたわけではない。 無リスクの金利すら上回れなかったことは、ウォール街のポートフォリオマネジャーにとっては大きな屈辱だ。基本的に、あらゆる種類のヘッジファンドにとって手数料や制限的な取引条件を正当化するための基準が厳しくなることを意味する。 インフレ鈍化で現金同等資産の金利はここ数カ月低下しているが、それでもまだ昨年10月に付けた22年ぶりの高水準に近い。これは現在、年率約8%に相当する。 「投資家が「現金同等資産以上のリターンが出せないのなら、自分はいったい何をしているのだろう」と自問し始めているとカプリス氏は述べた。ブルームバーグGSAM米国株マルチファクター指数は昨年4.5%下落し、07年の算出開始以降で最悪のパフォーマンスとなった。さらに問題を複雑にしているのは、市場のシナリオが突然変化し、不況とソフトランディングの間で焦点が切り替わったことだ。Source:GoldmanSachs 中でも、先物市場でのロングやショートを通じて資産価格の勢いを追う商品投資顧問業者(CTA)として知られるクオンツは大きな痛手を被った。金利差から利益を得るキャリートレードは、さまざまな取引を組み合わせたアブソルートリターン戦略で23年にプラス18.5%の素晴らしい成績を記録。イジー・イングランダー氏のミレニアム・マネジメントは約10%、DEショーが運用する最大のヘッジファンドは10%弱のリターンを上げた。約90%の投資家が、ハードルレート(運用会社が運用報酬を徴収する前に越えなければならないリターンの最低要件)は無リスク金利または関連ベンチマークを下限とするべきだと回答している。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース ウォール街のクオンツ、生き残れるか-無リスク金利に敗れた戦略も