プーチン氏に賭けた習氏の危ういギャンブル、負ければ失うもの多し
記事を要約すると以下のとおり。
ロシアのプーチン大統領は2022年2月の中国訪問で習近平国家主席から「限界のない」パートナーシップという約束を取り付けた。 両首脳の会談が、パレスチナ自治区ガザを実効支配しているイスラム組織ハマスとイスラエルの紛争の陰に隠れることは避けられそうもない。習氏、そしてイランに接近しているプーチン氏への圧力は一段と強まっている。 西側諸国がロシアとの貿易関係を断つ中で、中国の対ロシア輸出は今年57%急増。習氏のモスクワ訪問(今年3月)Photographer:GrigorySysoyev/Sputnik/AFP/GettyImages プーチン氏にとって、今回の訪中は国際刑事裁判所(ICC)から戦争犯罪容疑で逮捕状が出されて以後、旧ソ連圏訪問を除けば初めての外遊となる。それは、西側諸国、特に米国とその同盟国に対する長きにわたる不信と、台湾を巡る中国の立場を強めたいという願いに基づくものだ。すぐにはあり得ないだろうが、実際にもし中国がロシアとの関係で得ているのは一定の自動車・テレビ・スマートフォン市場と、値引きされたロシア産石油・ガスを除けばほとんどないと北京の一部専門家や学者は分析。このため、プーチン氏に賭けるギャンブルの度が過ぎるのではないかという疑念も浮上している。ロシアが始めた戦争に関与したくない「中国エリート層の一部からすれば、プーチン氏は習氏にとって一段と重荷になっている」と述べた。中国の不安定化巡り懸念強まる、相次ぐ高官更迭-習氏が自ら抜てきも米政府、先端半導体技術への中国アクセス制限強化へ 米国は先端技術の対中輸出規制を強化し、EUは中国から輸入している電気自動車(EV)の補助金調査に着手した。 マレーシアのマラヤ大学で中国研究所所長を務め、中国政治について多くの著書があるヌゲオウ・チャウ・ビン氏は「中国とロシアが同じカテゴリーに分類され続ける限り、欧米などとの橋渡し役」になれないことを中国政府は憂慮しているとし、「中国はどちらの側からも頼れる存在として自らをアピールしたいと考えているとの見方を示した。19年にはタジキスタンで習氏の誕生日を共に祝った。抗争 しかし、欧州を拠点とするある外交官は、2人の関係性には同志間の抗争のような側面もあると主張する。EU担当の中ソ国境紛争時)Source:Sovfoto/UniversalImagesGroup/GettyImages 中国政府にとってもう一つの「レッドライン」は、国連憲章にうたわれている領土主権の原則だ。習氏はまた、北大西洋条約機構(NATO)拡大に対するプーチン氏の懸念を共有しているように見える。「多くの人々がロシアを嫌い、ロシアを批判している」とも話した。 今のところ、ロシアは対中関係の不均衡についてほとんど何もできない。自動車メーカーはすでにロシアで生産を行っているが、生産台数を22年の45万1000台からウクライナ侵攻前の約140万台に戻すには、さらに大手2、3社がロシアに組み立てラインを設置することが求められる。 ロシア輸出決済での人民元の使用は、中国は自国の優位性を強く押し出すことはできないと説明。中国政府にとっての焦点はロシアがどれだけ譲歩する用意があるかということでは必ずしもない。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース プーチン氏に賭けた習氏の危ういギャンブル、負ければ失うもの多し