中国が優勢、南シナ海でのエネルギー争奪戦-米国には不愉快な実態
記事を要約すると以下のとおり。
ベトナムは今年、国内最大級の天然ガス田発見から利益を得るはずだった。南シナ海全域にわたり広大な領有権を主張。 中国の習近平国家主席はこの判断を無視。中国は事実上、U字型のライン内での新たな石油開発に対する拒否権を確立したと「南シナ海:アジアの覇権をめぐる闘争史」を執筆したビル・ヘイトン氏は話す。ブルームバーグNEF(BNEF)の予測に基づく算出では、フィリピンは25年9月までのLNG購入に14億ドル(約2170億円)近くを費やす予定で、ベトナムは同じ期間に3億7000万ドルを支払うことになっている。 自己主張を強める中国の姿勢は、外交・軍事上の火種となっている。日米フィリピン、初の3カ国首脳会談(ワシントン、4月11日に行われたバイデン米大統領とフィリピンの航空機や船舶、部隊が攻撃されれば、相互防衛条約が発動されるだろうとバイデン氏はフィリピンとの約70年続く防衛協定への支持を強調した。日米比、初の3カ国首脳会談-中国進出念頭に海上訓練拡充で合意 シエラマドレ号への補給任務中、フィリピン沿岸警備隊が中国海警局の船舶を監視(3月23日)Photographer:VinaSalazar/Bloomberg フィリピン当局によると、エネルギー危機がかつてないほど深刻化しており、仲裁裁判所がフィリピンが独占権を有するとした海域での石油・ガス埋蔵量の開発を進める必要がある。 しかし、この海域における中国の何十年にもわたる強硬姿勢は、首都マニラがあるルソン島が必要としている電力の2割を供給しているが、27年までに商業的に枯渇すると予測されている。 もっと早まるとの予想もある。 フィリピン最高裁判所の元判事アントニオ・カルピオ氏は「マランパヤが止まれば、ルソン島の経済は崩壊するだろう。」これはまさに、フィリピンにとっては国家の存亡、マルコス大統領にとっては政治的生き残りを左右する問題だと語った。 フィリピン船は集中放水で航行が妨げられ、中国船が周回する中、後方や横に押し出された。 昨年後半の衝突では、フィリピンの船団がシエラマドレ号の補給任務中、中国船5隻が進路を妨害しようとし、一部は船団のすぐ横に止まった。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 中国が優勢、南シナ海でのエネルギー争奪戦-米国には不愉快な実態