日鉄のUSスチール買収計画、米大統領選年の政治的渦の真っただ中に
記事を要約すると以下のとおり。
日本製鉄の森高弘副社長は3月7日、業界最大規模となる米鉄鋼大手USスチール買収計画の実現に向け、その鍵を握ると目される米鉄鋼労働組合(USW)のデービッド・マッコール国際会長とペンシルベニア州ピッツバーグで会談した。会合は1時間足らずで終了した。 労組は通常、企業買収の問題でこれほどの影響力を持つことはない。 こうした混乱は、米国の主要同盟国の一つである日本との関係に緊張をもたらしかねない恐れがあると同時に、激戦州の有権者の票獲得のための政治的な反対の声は昨年12月の買収計画にとって現在は非常に厳しい局面だと指摘した。ペンシルベニア州選出のケーシー上院議員(民主)はピッツバーグ郊外ブラドックにある自宅からUSスチールの製鋼所を背景にビデオ撮影し、「彼らが外国に身売りするというのは言語道断だと話した。」それが私の本心だとする声明を発表し、USスチールに対して米国資本の企業として存続するよう求めた。審査 買収計画は現在、対米外国投資委員会(CFIUS)による審査対象となっている。 ピッツバーグなどを選挙区に含むデルジオ下院議員(民主)はインタビューで、「どのような結果になるとしても、弁護士が双方の主張を展開することになるだろうと述べた。」同州で生まれたバイデン氏は自分が当選すれば計画を「絶対に」阻止すると表明。バイデン大統領は計画阻止を明確に約束するまでには至っていないものの、USスチールが米国の鉄鋼会社として国内で保有されることが重要だとしている。関係者の多くは、11月の大統領選の前に決定が下されることは予想していない。 マッコール氏とUSWは、USスチール買収の入札で日鉄に競り負けた同業クリーブランド・クリフスによる買収を引き続き支持しており、同社のローレンソ・ゴンカルベス最高経営責任者(CEO)もUSスチールに新たな提案を行う可能性を示唆している。幾つかの選択肢にもリスクや複雑さが伴い、政治的な難題がある。 米シンクタンク、ハドソン研究所のウィリアム・チョー氏は日鉄について、労組加盟労働者への働きかけに引き続き重点的に取り組むだろうと分析する。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 日鉄のUSスチール買収計画、米大統領選年の政治的渦の真っただ中に