日韓関係、尹政権の徴用工解決策を機に改善進むか疑問も－QuickTake

日本による朝鮮半島の植民地支配は約80年前に終わったが、負の遺産はいまだに政治的な混乱を巻き起こしている。
しかし、これまでの合意と同様に、この解決への試みも国内政治の犠牲になりかねない。
1965年の国交正常化の際に締結された日韓請求権・経済協力と2億ドルの低利借款を提供した。
日本は1965年の日韓国交正常化に関連する文書Photographer:JeonYoung-han/AFPviaGettyImages2.各企業への影響　　韓国の裁判では、一部の元徴用工が精神的苦痛などに対して適切に補償されなかったと判断された。
三菱重工業に対し原告10人に1人当たり最大1億5000万ウォン（約1500万円）、新日鉄住金（現日本製鉄と韓国ポスコとの合弁会社株式の日鉄持ち分（当時の価値で約35万6000ドル）の差し押さえ命令の書類が日鉄側に届いたと見なす「公示送達」の効力が発効。
日本はこれら資産がいつでも現金化される可能性があり、緊張をあおることになると懸念を表明した。
韓国も輸出管理で優遇する国のリストから日本を除外。
ＷＴＯは20年7月、政府傘下の財団を通じて元徴用工に弁済する解決策を発表。
韓国の全国経済人連合会（全経連）と日本の経済産業省は、1998年の小渕恵三首相と金大中大統領による日韓共同宣言を含め、「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいくと表明した。」
5.合意は維持されるか　　韓国は指導者が変わるたびに合意を発表。
　しかし、被害者への相談なく結ばれたとして、多くの韓国国民が同合意に反対。
日本政府の反発を招いた。
短期的にうまくいったとしても、日本政府による資金拠出や追加の謝罪がないことを踏まえると、尹氏の後任によって覆される可能性もある。
93年には当時の河野洋平官房長官がいわゆる「河野談話」で、謝罪への評価は損なわれている。
「明治日本の産業革命遺産」の一つとして国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界文化遺産に登録された長崎市の端島炭坑（通称・軍艦島）で朝鮮半島出身の戦時労働者が非人道的な扱いを受けたことを日本が認めてないことにも韓国は反発している。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、中国が台湾に侵攻するのではないかとの懸念が強まる中で、日韓関係の改善は緊急性を増していた。