新興企業向け融資大手シリコンバレー銀行（ＳＶＢ）の経営破綻を受け米規制当局は、親会社
ＳＶＢファイナンシャル・グループの事業の買い手を模索している。広範囲に及ぶ商業銀行業務やウェルス部門、投資銀行、ファンドマネジャーの売却先を探すことになる。
シリコンバレー銀行は10日、預金の取り付け騒ぎと増資計画の頓挫に見舞われる中、カリフォルニア州の金融保護当局によって閉鎖され、米連邦預金保険公社（ＦＤＩＣ）の
管理下に置かれた。ＦＤＩＣは現在、顧客資金をできるだけ多く返還できるよう同社のさまざまな事業の買い手探しを目指している。
大手銀行はＳＶＢの扱いやすい規模と、ハイテク企業やその裕福な創業者など魅力ある顧客基盤を踏まえ、同社の事業の買収について少なくとも検討は行う可能性がある。ＳＶＢは金利上昇直前に債券投資を積み上げたことなどが裏目に出て破綻したが、一気に破綻に向かう前には毎年利益を計上していた。
ただ、ＦＤＩＣの10日の声明は同社全体の迅速な売却を示唆するものではなかった。ＦＤＩＣは、保険対象外の預金者には向こう１週間以内に事前の配当を行い、将来的に資産売却に伴って支払うことになると説明した。
ＳＶＢの昨年末時点の総資産は約2120億ドル（約28兆円）。その後は資金調達のための保有資産売却や預金者による資金引き揚げで総資産は確実に縮小している。資産の半分以上は債券ポートフォリオで構成されていたため、金利上昇で損失を被った。
同社の年次報告書によると、昨年12月31日時点の従業員数は8500人超。世界に数十の拠点を構え、米国をはじめカナダや英国、欧州、アジア、中東で事業を展開している。イングランド銀行（英中央銀行）は10日、英国部門の破産手続きを裁判所に申請する方針を発表した。
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原題：
SVB’s Auction Block Includes VC-Focused Lender, Wealth Unit（抜粋）
