【コラム】植田総裁の大一番、ブラックホールに落ちた－リーディー

日本銀行が利上げを行ったが、誰もその声明を読むことができなかったら、金融政策は実際に引き締められたことになるのだろうか。
しかし、植田和男総裁がメッセージを伝えるのに苦労したのはこのせいばかりではない。
　総裁は幾つもの理由を並べ立てたが、最終的には、物価が制御不能に上昇し突然の連続利上げを余儀なくされるのを回避するため先手を打ったという、ふに落ちないロジックに落ち着いた。
総裁は政治的圧力に屈したのだろうか。
日銀は、経済・物価見通しが実現していけば、引き続き政策金利を引き上げる方針を示した。
　このエピソードは、日銀がメッセージを伝えることの難しさに直面し続けていることを裏付ける。
同氏は内容の正確さばかりでなく、他の主要中央銀行が厳守している情報統制期間との対比を指摘した。
メディア3社がそれぞれにこの決定を正しく臆測し、これまでも植田日銀が情報公開の方法を見直すべきであることを示している。
情報漏えいをなくすだけでなく、決定を公表すると約束しているだけだ。
植田総裁は世界の中銀を見渡し、目的に合わなくなった緩和の枠組みを解体するという徹底的な仕事をした。
数十年にわたる特異な政策から脱却した今、植田日銀は情報発表の在り方も21世紀型に変えていくべきだ。
このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません）原題：Ueda’sBigDayFallsIntoaBlackHole:GearoidReidy（抜粋）ThiscolumndoesnotnecessarilyreflecttheopinionoftheeditorialboardorBloombergLPanditsowners.。