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大阪大学国際医療シンポジウムGo Global!!7/日本の国際医療2015~行政、大学の取組と今後の課題解決に向けて~

「日本の医療の国際化」と言った時に、いわゆるインバウンドとアウトバウンドの両方の立場があります。

インバウンドの方は、在日・来日観光客が増えている中で、医療機関の外国人への対応がひとつの問題。
例えば通訳のことなどは、比較的早い時から関心事として課題として挙げられていました。
その他、院内の表示の多言語化や、医療保険・費用のことなど、対応すべきことはたくさんあります。
今のところ、あまり話題になりませんが、ムスリム女性に対応するために女性医師やスタッフをシフトするなども今後考えなければならない事項です。

アウトバウンドの方は、かつては野口英世がそうだったように、日本の高い医療レベルがどうすれば世界で役に立つのか、ということ。
これまでは、途上国や紛争地や災害地に対して、人道支援としての医療を行ってきた面が強く、医師の中でも「国際医療」に携わるのは使命に燃える一部の特殊な人、という認識もあったようです。
現在は医療アウトバウンドとして、日本の強みを戦略的に海外で展開していこう、という流れの中で、産官学の共同でたくさんのプロジェクトが動いています。

当日は、行政からのプレゼンテーション、大学側からのプレゼンテーションの両方が行われ、非常に刺激される内容の多いシンポジウムでした。
経産省、厚労省の医療アウトバンドは、自分にとって一番身近な施策ですが、全体を網羅的に見ることができたのは収穫でした。
文科省の取り組みは、普段は接点のないところなので、キャッチアップできたのは良かったです。

大学側のプレゼンテーションでは、北海道大学のピーター・シェーン先生のプレゼンテーションが良かったです。
海外のお医者さんは、医師免許が更新制のため様々な講座や学会でポイントを稼ぐ必要があります。
簡単に言うと、医師免許更新のポイントになると認定されたカリキュラムを北大で開催することで、海外のお医者さんに観光を兼ねて札幌に来てもらう、というもの。
これはどんどん開催してもらえるといいですね。
今後の展開が楽しみです。

日時:2015年12月11日(金) 15時00分から18時50分
会場:東京都霞ケ関 イイノホール 東京都千代田区内幸町2-1-1
定員:150人
主催:大阪大学大学院医学系研究科国際・未来医療学講座 大阪大学医学部附属病院未来医療開発部国際医療センター

■開会の挨拶
金倉讓 大阪大学医学部附属病院病院長

<セッション1:世界の情勢と行政の取組み>

座長:澤芳樹(大阪大)・田村純人(東京大)

■基調講演「Global Healthの動向とわが国における医療の国際化」
中谷比呂樹 大阪大学大学院医学系研究科国際未来医療学特任教授

■特別講演1「未来医療研究人材養成拠点形成事業等の文部科学省の取組み」
手島英雄 文部科学省高等教育局医学教育課大学病院支援室長

■特別講演2「医療の国際展開に向けた経済産業省の取組」
笹子宗一郎 経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課国際展開推進室長

■特別講演3「国際医療~厚生労働省の取組みと今後の課題について~」
飯田圭哉 厚生労働省大臣官房審議官(医薬品等産業振興、国際医療展開担当)

■指定発言
中村安秀(大阪大)・朝比奈宏(Medical Excellence JAPAN)

<セッション2: パネルディスカッション~アカデミアの取組み>

座長:中田研(大阪大)・清水周次(九州大)

■報告1「海外医師のための医学生涯教育プログラム」
ピーター・シェーン 北海道大学病院国際医療部

■報告2「東大病院の取組み-東京・日本・世界へ向けて-」
山田秀臣 東京大学医学部附属病院国際診療部

■報告3「大阪大学医学部附属病院国際医療センターの取組み」
史賢林 大阪大学大学院医学系研究科国際未来医療学

■報告4「高速インターネットを活用した遠隔医療教育プログラムの開発」
清水周次 九州大学病院アジア遠隔医療開発センター

■総合討論
上記演者・座長に加えて、堀成美 国立国際医療研究センター国際医療部

■閉会の挨拶
澤芳樹 大阪大学大学院医学系研究科長

追伸:

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