米経済軟着陸の行方、FRBが高めのインフレ容認するかどうか次第に
記事を要約すると以下のとおり。
米経済のソフトランディング(軟着陸)の期待が高まるか否かは、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局が当局目標を大きく上回るインフレ率を容認するかどうか次第となりそうだ。バーナンキ元FRB議長は、今週予想される利上げが現行の金融引き締めサイクルで最後のものとなる可能性があるとしている。その場合、賃金の伸びは高止まりし、労働コスト上昇をカバーするため、企業は値上げを迫られることになる。なお、JPモルガンは基本シナリオとして7月の利上げが今回のサイクルで最後になると予想している。 アリアンツの首席経済顧問を務めるモハメド・エラリアン氏は米金融当局が2024年末に向けて利上げ再開を迫られるかもしれないと分析する。 その上で、「われわれとしては当面、7月の利上げ後は「長期の停止」の軌道に乗って、将来的には利上げを再開する可能性は小さくないだろうとの見解を示した。 ただ、インフレ率を年率2%に回帰させる上で、サービスセクターが焦点となる最終局面は一層険しいものとなる公算が大きい。 元FRB金融政策局長で現在はドレイファス・アンド・メロンのチーフエコノミスト、ビンセント・ラインハート氏は「最後の局面が難しい」とした上で、「リセッションの可能性が高まれば、金融当局は物価安定の追求を断念するだろうと述べた。 JPモルガンのカスマン氏は、中国からの安価な輸入品や世界的なサプライチェーンの混乱解消、家賃の伸び鈍化などを背景に、今後数カ月の月次インフレ統計は軟調な数字が続く可能性があると話す。3% エラリアン氏は、経済の基調的な諸力が物価目標を2%ではなく3%に押し下げるのであれば、2%の代わりに3%とすべきだと主張している。 サマーズ氏は「どのような目標を設定するにしても、サイクルの平均値ではなく下限となる公算が大きい。」
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 米経済軟着陸の行方、FRBが高めのインフレ容認するかどうか次第に