脱炭素推進なのに数値悪化、指標が抱える矛盾-官民で知恵出し
記事を要約すると以下のとおり。
脱炭素に欠かせないトランジション・ファイナンス(移行金融)を推進すると、かえって数値が一時的に悪化するという矛盾を抱えた指標がある。投融資先の排出量は金融機関がその企業にどの程度の投融資を行っているかを掛け合わせる単純な式で計算できるため、横並びで比較しやすく、金融機関による排出削減の貢献度を端的に捉えられる利点がある。 例えば、100トンの温室効果ガスを排出する企業の総調達額が1000億円で、このうち銀行Aが半分の50トン、銀行Bが300億円をそれぞれ融資、残りの200億円は株式市場から調達しているとする。 このグループで委員を務める三菱UFJフィナンシャル・グループの石川知弘・経営企画部渉外室長は「ファイナンスド・エミッションは体重計のようなものだ」と話す。囚人のジレンマ 金融機関が数値の増加に尻込みして投融資を控えたり資金を引き揚げたりすれば、数値が増えない代わりに投融資先の脱炭素も停滞する。 金融庁の西田勇樹・サステナブルファイナンス推進室長は「長期的な設備投資の重要性を金融機関はそれぞれ理解しているので、実際に囚人のジレンマのようなことは起こらないと思う」と話す。 *ファイナンスド・エミッション(financedemissions)…国際的な枠組みである「パートナーシップ・フォー・カーボン・アカウンティング・フィナンシャルズ(PCAF)」が算定式を公表。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 脱炭素推進なのに数値悪化、指標が抱える矛盾-官民で知恵出し