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「お店を手伝わせてくれるかな?」

沖縄県でコーヒー豆の販売店Santo Granosを営む島田聖子さん。
娘さんは定時制高校でマーケティングを教える教員です。
ある日その娘さんから、聖子さんは言われました。

「お母さん、私、マーケティングの教員をやっているけど、
自分でビジネスをした経験が無いから説得力がないの。
お店を手伝わせてくれるかな?」

その時まで聖子さんは自分のコーヒー販売のビジネスを家族に語ることはありませんでした。
家族の側もコーヒーには興味がないといった感じで、お互いに無関心な状況だったと言います。

しかし、「お店を手伝わせてくれるかな?」の一言をきっかけに二人のひと夏の物語が始まります。

娘さんは聖子さんに企画書を作って持ってきたそうです。

マーケティングを教える先生ですから、それは本当に良くできていました。

「コーヒー屋台。目的は地域の交流を生み出すこと。そのためのコーヒー販売とあいさつ活動。一杯500円でタンブラー持参のお客様のみ。時間は朝5時~7時と17時~19時。期間は1か月間。店前にテーブルを出す。」

娘さんは、目論んでいました。

近くにあるアメリカ軍の軍人さんが、朝夕の通勤時間にあたることを。

みんながコーヒーを買ってくれるはず。

定時制高校は、夏休みの期間は授業が日中にシフトするため、

普段は職場にいることになる夕方でも、

娘さんは、この期間中は朝夕の販売時間に対応できるのだそうです。

聖子さんは、それまでは通信販売を中心におこなっていましたので、
小さな看板しか出してませんでした。

不安でしたが、失うものは何もない。やってみようと、この企画に乗ったのです。

そして、いよいよ初日を迎えます。

朝5時にテーブルを出してお客さんを待ち構えました。

しかし、誰も来ません。

6時になり、7時になる。

沖縄の夏は、朝の7時にはもうすでに気温が上がり、立っているだけでも汗だくです。

そして気がつきました。

お客様として目論んでいた軍人さんは、出勤時刻を目がけて出かけるため、
5時では、すでに家を出た後だったのです。

2日目、3日目と続けましたが、ご近所のお客様が数人来てくれただけでした。

「もう止めようか」とも思いましたが、
「目的は地域の交流。コーヒーは売れなくても挨拶はする!」
と二人は決意を新たに、継続しました。

最初のうちは、あいさつをしても反応がなかったと言います。

「コーヒー屋さんなの?看板が見えなくて知らなかった。」
といった交流を積み重ねました。

写真はイメージです。

特に印象に残っているのが、タバコ・スマホを手に犬の散歩をする不愛想な女性。
しかし、彼女の方も散歩は日課だったようで、毎日顔を合わせます。

最初のうちは、一瞥して通り過ぎていただけのところ、

あいさつに会釈を返してくれるようになり、

次にあいさつを返してくれるようになり、

少し興味をもって「何してるんですか」と聞いてくれるようになり、

ある時は「私、コーヒー飲まないので」と拒絶されたものの、

「でも飲んでみようかな?」と立ち止まり、

そして一口飲んでくれました。

「美味しい!」

「今までタバコにお金を使ってたのがバカみたい。
コーヒーがこんなに美味しいなんて!

写真はイメージです。

実は、最終的には毎日来てくれる一番のお客様になっていました。

聖子さんが得たもの。

聖子さんは、「家族や地域との関係性だった」と言います。

コーヒー屋台の1ヶ月の売り上げは決して多くはありませんでした。
しかし、その見返りに得たことは、
母娘でビジネスに取り組み、
娘に商売を実地で教育することができ、
逆に娘が自分のビジネスの相談相手となってくれたこと。

家族を顧みず、自分のやりたいこととして取り組んできたコーヒーのビジネスですが、
家族との関係を疎かにしてまで自分が目指していたことなんだろう?
足元をもう一度、見直すきっかけになったそうです。

そして、地域の交流を行うことで、
普段の通信販売とは違う、
顔の見える関係作りができたこと。

自分がなぜ、コーヒーを販売したいのか、
コーヒーを販売することで何を成し遂げたいと考えているのか。

実は、そもそも、島田さんがなぜコーヒー販売を始めたのか、

というところにまでさかのぼり、踏み込む続きがあるのですが、

それは次回のMoneDucationのマンスリーミーティングでのお楽しみです。

※2022年9月18日(日)9:30~ZOOMで開催されました。
次の開催案内はこちらでしています。

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