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衝撃発言しちゃうけど、 IT化できない・DXしたくない企業は、社会からご退場願いたい。

介護・福祉施設のIT投資が進まないのはなぜか?

先日あるコミュニティでこんなことが話題になりました。
高齢者介護・福祉施設でIT投資がうまくいかないのはなぜだろう?
うまく導入されてない、活用されていないのは何故だろう?
ということです。

一つの要因として、いわゆる医療や福祉は公益事業に近いからだ、ということでした。

これらの産業は、診療報酬や介護報酬と言う形で、売上が政策的に決められてしまっています。
その報酬制度は基本的には収支トントンが目標であり、事業者にとって大きな利益になるものではありません。
もちろん営業努力の中で、利益がとれるようにうまく経営している組織があります。
そしてそれはどちらかというと、規模を大きくすることで実現している、というケースが多いかと思います。

つまり、政策的に決められた報酬の中では、制度の本来の趣旨である医療や介護を滞りなく提供するところまでしか費用負担はできないということです。

IT投資がうまくいっていない中小事業者であっても、IT化を進めるためにひとりぐらいの人件費(IT担当推進者)は賄えるんじゃないか、それすらをしない経営者はもしかすると無能なんじゃないか、という意見もありました。
そんな人件費も賄えないくらいに、政策で決められた報酬制度の中では財務的に経営が厳しいというのが本当なのだろうか、という意見にもなりました。

IT「投資」であるなら、追加的な費用負担じゃないよね?

私はもう少し違う見方をしています。

IT「投資」であるならば、追加的な費用負担を覚悟して導入する、というものではないような気がします。
むしろIT投資をすることで経費の削減ないしは売上が見込めるからこその「投資」であるべきです。
そこにあるのは、やるかやらないか、であり、経営者の決断にあるのではないでしょうか?

暴言しちゃいますけど、IT化できない、DX導入できない、生産性の低い企業にはご退場いただくべき、とさえ思います。
合理化、OA化、IT化、デジタル化、BPO(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、40年以上に渡ってビジネスのこれだけのバズワードがあるくらい、チャンスがありました。
その機会に変革できず、生産性の低い企業を温存してきたからこそ、今の日本全体の低生産性があります。

僕らの世代ではコンピューターは使えない。私たちが退職するまでの10年位待ってください。

30年前、私は郵政省に採用され、郵便貯金の事務センターに配属されました。
そこは郵便局の窓口で取り扱われた郵便貯金の書類を一手に引き受けて処理をする組織です。
当時の金融業界というのは大規模なコンピューターの導入によりシステム化され始めていた最前線です。
私が配属された職場は、そんな中でも合理化・OA化の最先端にさらされていた職場でした。私がそこに配属されるほんの数年前まで、そろばんで利子計算をして、紙の台帳に書き込むという仕事をしていました。
大規模なオンラインの計算センターが登場したことで、それらの仕事はなくなりました。
端末を使って入力することや、入力されたデータや計算された結果が正しいことを確認することがその職場の仕事になったのです。
古いことなのであまり記憶にはありませんが、人数にして半分、一人当たりの作業時間にして2/3くらいには削減されたようです。

そろばんをキーボード端末に持ち替えた決意

当時そろばんからキーボード端末に変更を余儀なくされた職員たちの覚悟思うと、壮絶な思いがあったと推測します。
もちろんついていけず辞めた人たちもたくさんいました。
また人を減らすために配置転換されたり、勧奨退職された方もいらっしゃったようです。
国家公務員であり、女性の職域でしたから、いわゆるおばちゃんがたくさんいたんですよね。
系列の病院が廃止されたことで事務職に配置換えになった元看護師さんも同僚にいました。
しかし、残された方々は新しい仕事の習慣に必死に食らいつき、技術を習得し、新人として採用された私のことをリードしてくれました。
第2、第3の母として、今でも尊敬しています。

そんな状況を目にしていたので、同じ郵便貯金や郵便局の中でも、コンピューターはおろか、ワープロさえも配備されたばかりの周辺の職場というのがとても古くさく見えました。
とても非効率で生産性の低い仕事だなあと思っていました。

あるとき言ったことがあります。
「これらの仕事だってコンピューター化することで、もっと効率化できますよ。作業の手間を減らし、その空いた時間をもっと大切で生産的なことにあてることができますよ。」
それは接客に充てる時間であったり、組織の収益をより高めるために情報を分析し次の手を打つことを考えるために使うことができます、という意味です。

当時私は20代の前半、言った相手は40代後半の管理職です。
「そうは言ってもねえ、僕らの世代ではコンピューターなんて使えないのですよ。私たちが退職するまでの10年位待ってみてごらんなさい。私たちのようなコンピューターを使えない世代が退場した後にはきっと、あなたが考えているようなことが実現できるでしょう。」と、もっともらしく言われました。

今ならね、「僕らがいなくなった後、君らで何とかしてくれ」というのは本当に無責任で老害だから、そんな責任者がいるならば、すぐにでもやめるべき、と断言します。

今現在、あれから10年はおろか30年以上が経過し、私は、私がかつて進言した管理職の方と同じぐらいの年齢になりました。
当時の職場のことはよくわかりません。
民営化もされたし、客としてサービスを使っている上では、ほかの企業にも負けないくらいには、オンラインのデジタルサービスが増えているようにも感じます。

でもぶっちゃけ、実現できてないよね。

行政だってやっと変わりつつある

ところが社会全体を見てみるとどうでしょうか?
例えば行政サービス。

マイナンバーカードが普及しつつあり、ある程度行政サービスがオンラインデジタルサービスで利用できるようになってきました。
コンビニで住民票や印鑑証明が取得できたりします。
確定申告のオンラインで出来るようになったそうですね。
私の自治体ではという条件付きですが、先日粗大ごみの廃棄を依頼した際はWebフォームからの申し込みのみで完結し、非常に便利でした。

一方で行政サービスであればある程度仕方のない面があるかと思いますが、やはり今のお年寄りたちがいうのは
わしらはスマホなんてよう使わん。なぜ電話で受付をしてくれないのか。
というような苦情だといいます。

では、介護の現場ではどうか。

話がそれてしまいましたが、社会全体で、まだまだITや情報リテラシーの面で追いついていないということが言えるかもしれません。
先ほどの介護サービス事業においても、労働力の大半はいわゆる現場での作業です。
人と接し、人を思いやる気持ちと専門的な介護の職業スキルは、食事、入浴、就寝、リハビリ、レクレーションなど非常に多岐にわたるものです。

私ら、ようわからんもの。」というのが、介護サービス事業所の経営者か、職員の意識なのではないか。と推測します。

理想で言えばそのような方々でもスマホを使うのと同じような操作性で介護情報の入力やデータ分析ができるようになることなのかもしれません。
またセンサーを使った自動データ入力が実現することだと思います。
しかし、残念ながら今のところタブレット端末やPCからの入力に頼らざるを得ないところがありそれが負担となり、拒否感の一端になっているのだと思います。

せめて、FAXを禁止する法律くらい作ってもいいんじゃない?

そんな時私は思い出すのです。
30年前、そろばんからデータ端末に持ち替えたあのおばちゃんたちのことを。
もちろん女性の社会進出がまだまだ少ない中で国家公務員として採用された、もともとスペックの高い女性たちだったと思います。
しかし、そろばんというこれもある意味、特別なスキルが要求される専門職の方々が先頭をきってデジタルに対応していったときのことを。

今どきは、IT化やDXをするのに当時のような悲壮な決意を持ってすることでもないと思うんですよね。
なんでもっとカジュアルにIT化やDXされていかないのかホント不思議です。

せめて、FAXを禁止する法律くらい作ってもいいかもしれません。

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