
「思えば、そうなる」の矢印は、どこまで追えるのか?――Meaning AuditからJames Allenを訪ねる
「思考が現実をつくる」。この一文の中には、いくつの矢印が折りたたまれているのか。Hume を読んだあとで James Allen『「原因」と「結果」の法則』の原書を読み、因果を追跡することと、世界観として読むことの境目を考える。シリーズ「意味の地図をつくる」第12回。

「思考が現実をつくる」。この一文の中には、いくつの矢印が折りたたまれているのか。Hume を読んだあとで James Allen『「原因」と「結果」の法則』の原書を読み、因果を追跡することと、世界観として読むことの境目を考える。シリーズ「意味の地図をつくる」第12回。

「担当者は、当時その問題を認識していたと考えられる。」報告書のこの一文は、記録から、誰も見ていない頭の中へ進んでいる。刑事事実認定を訪ね、外から見える事実から内心を推し量るときの「はず」という橋を考える。シリーズ「意味の地図をつくる」第11回。

「広告費を増やした。翌月、売上が上がった。だから、広告が効いた。」最初の二文と最後の一文は、同じ種類の文ではない。Hume の因果論を訪ね、「AのあとにBが起きた」と「AがBを起こした」のあいだにある見えない「だから」を考える。シリーズ「意味の地図をつくる」第10回。

「空が真っ黒だ。傘を持っていこう」のあいだには、口に出さない「だから」がある。Meaning Audit の Warrant という言葉の出どころである Toulmin を訪ね直し、書かれていない橋を監査する人が補うとき、それは誰の議論になるのかを考える。シリーズ「意味の地図をつくる」第9回、第2期の最初の回。

「前年比4%増」という正しい記録から、「今期は回復した」と言えるのか。科学哲学の確証、過小決定、データと現象の区別を訪ね、データから結論までのあいだを考える。シリーズ「意味の地図をつくる」第8回、第1期の最終回。

スライドの注記は「前年比4%増」。それでも会議の参加者は、縦軸が途中から始まる赤い棒グラフを見て「大きく伸びた」と受け取った。言葉で書かれていないことを、グラフや色や矢印はどう伝えているのか。シリーズ「意味の地図をつくる」第7回は記号論を訪ねる。

五年前の報告書に残された「今後、必ず改善します」。書いた人はもういない。私は書き手の言いたかったことを読んでいるのか、今の私にとっての意味を読んでいるのか。シリーズ「意味の地図をつくる」第6回は解釈学を訪ねる。

「約束します」は、約束について説明しているわけではない。言った瞬間に、約束が生まれている。言葉は情報を伝えるだけなのか。シリーズ「意味の地図をつくる」第5回は、Austin に始まる発話行為論を訪ねる。

「もう遅いですよ」と言われて、「帰ってください」とは言われていないのに、そろそろ帰った方がいいと受け取る。言われたこと以上の意味は、どうやって生まれるのか。シリーズ「意味の地図をつくる」第4回は Grice と含意を訪ねる。

同じ「もう遅いですよ」でも、来客と締切と夜更かしでは伝わる意味が違う。文そのものの意味と、文脈の中で伝わる意味は、どこで分かれるのか。調べてみると、その境界自体に議論があった。シリーズ「意味の地図をつくる」第3回は意味論と語用論を訪ねる。

友人から「今日、その店は休みだよ」と聞いて、出かけるのをやめた。自分で見ていないのに、私はそれを知ったことになるのか。私たちが知っていることの多くは、他人の言葉を通じて届いている。シリーズ「意味の地図をつくる」第2回は証言の認識論を訪ねる。

天気予報の降水確率15%は受け入れやすい。でも「彼女が彼を好きである確率は15%」と言われると、その15%が気になる。AIの答えを見て、私は何を知ったことになるのか。シリーズ「意味の地図をつくる」第1回は認識論を訪ねる。